2016/11/01更新
糖質制限中の脂質とたんばく質の摂取量はどのくらいが目安?
糖質制限は、従来のカロリー制限とは全く異なる発想の食事療法です。メディアで取り上げられる機会も多く効果を実感する人が多いことから、糖質制限にチャレンジする人は増えているようです。
糖質制限は糖質の摂取を控えるというシンプルな方法ですが、脂質やたんぱく質はどのくらい摂取すれば良いかという点は、実践する上で気になるところではないでしょうか。ここでは、糖質制限の基本的な考え方や、脂質とたんぱく質の摂取量の目安などについて説明します。
糖質を摂取しない方が良いのはなぜ?
糖質制限中は、糖質の摂取量を抑えることが基本であり、脂質やたんぱく質はしっかり摂取して良いことになっています。なぜ糖質のみ制限するのかについては、糖質制限の基本的な考え方を踏まえると理解しやすいでしょう。
食後高血糖が肥満や糖尿病につながる
現代人に増えている肥満や糖尿病を引き起こす大きな要因の一つに「食後高血糖」があります。食後高血糖は食後に急激に血糖値(血液中のブドウ糖の量)が上昇する状態のことで、高血糖をくり返すと血管にダメージを与えたり、体に悪影響を及ぼす活性酸素が多く発生したりします。
糖質を控えれば高血糖を予防できる
血糖値が上昇すると、すい臓からインスリンが分泌されて血糖値を下げようとしますが、食事をする度にインスリンが大量に分泌されると次第にすい臓が疲弊し、効き目が弱くなることがあります。そうなると、肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まると考えられています。
そして、血糖値を上昇させる主な原因は糖質であるため、糖質の摂取量を制限すれば高血糖を防ぐことができる、というのが糖質制限の基本的な考え方です。
参考:糖質制限ダイエット食品が分かる「食材糖質チェック一覧表」
カロリーの上限や脂質・たんぱく質の摂取量は?
糖質制限は、様々な不調につながる食後高血糖の予防を目指すものなので、血糖値を上昇させる糖質を控えるだけで良いというシンプルな発想です。では、カロリーや他の栄養素の摂取量は無制限なのでしょうか?
糖質制限食は満腹になるまで食べてOK
糖質制限食では、従来のカロリー制限のように摂取カロリーの厳密な上限は設けられていません。例えば、カロリー制限により減量を目指す場合、
- 男性の摂取カロリーは1,400〜2,000kcal/日
- 女性の摂取カロリーは1,200〜1,800kcal/日
に抑えることが推奨されています。
しかし、糖質制限を実施する場合は比較的ゆるく、例えば30〜49歳の男性で1日の身体活動量が普通レベルの場合、2,650kcal程度が目安とされています(同じ条件の女性は2,000kcal程度が目安)。これは、厚生労働省が示している日本人に必要とされる摂取エネルギー量の範囲に準じています。
つまり、活動量に見合っていれば満腹感を感じる程度に食べて良いということです。
脂質とたんぱく質はいつもの倍以上?
糖質制限食ではカロリーをあまり気にしなくて良いため、カロリーが高いイメージのある、以下のような脂質やたんぱく質が主成分の食品もしっかり摂取してOKです。
- 魚介類
- 肉
- 豆腐、納豆などの大豆製品
- チーズ、ヨーグルトなどの乳製品
糖質制限を実践すると必然的に高脂質・高たんぱくの食生活になりますが、総摂取カロリーに対する、各栄養素の摂取量の目安は以下の通りです。
- 糖質12%
- 脂質56%
- たんぱく質32%
カロリー制限における目安は糖質6割、脂質2割、たんぱく質2割となっています。脂質とたんぱく質の割合を足すと、糖質制限の場合は約8割、カロリー制限の場合は約4割となり、約2倍多く摂取して良いことが分かります。しかも、糖質制限はカロリー制限がゆるいため、実際の摂取量で換算するともう少し多いかもしれません。
参考:1日の糖分は20g以下に?糖質制限ダイエット中の糖質量の目安
糖質制限で代謝のメカニズムが変わる
糖質制限を続けると、体内のブドウ糖の量が不足しますが、その代わりに脂肪が代謝される際にできるケトン体をエネルギー源として利用するようになると考えられています。
そのこともあり、脂質を多く含む肉や乳製品はしっかり摂取して良いのですが、牛乳や調整豆乳は糖質を含むため、控えた方が良いとされています。また、調理に使うオイル類はオリーブオイルやEPAやDHAの含有量が多い魚油が推奨されています。
高脂質・高たんぱく質の糖質制限食は代謝のメカニズムを変換させ、効率的に高血糖を防ぐことができるため、肥満や血糖値が気になる人におすすめです。
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